子育てには悩みやイライラがつきもの。それはお母さんが一生懸命頑張っている証拠です。子育ては、どうしても自分体験や思いを通して我が子を見てしまうので、我が子可愛さのあまり、苦労しないようにとかいじめられないようにといった心配のメガネをかけてしまいます。発達が気になるお子さんは、特にお母さんとの違いが大きいことが多いので、ご自分の思いと現実が違えば違うほど、ストレスを感じるようになります。でも、自分と子どもは別々の存在。なぜお子さんがそのような行動をとるのか理解できれば、余計なストレスが減り、逆にお子さんへの適切なサポートができるようになります。すると、お子さんにも、お母さんはわかってくれる!というお母さんへの信頼や安心感がどんどん増えてくるので、気持ちが落ち着いて安定し無茶な行動をすることが減ったり、逆に積極的に行動できるようになることがよくあります。
また、小さな赤ちゃんであっても、SNSなどで笑顔の可愛い赤ちゃんの様子があふれていると、泣き叫んでいたり思うとおりに反応してくれないわが子が、他の赤ちゃんと違うのではないか?自分の子育てが不十分なのではないか?と余計な不安にかられたりすることもありますよね。十分なんですよ。お母さんと一緒にいるだけで赤ちゃんは幸せなのです。
- 子どもを知る 子どもを深く観る
お子さんの発達でどんなことが気になりますか?
感覚刺激に対する反応の偏り・・・何に対して過剰に反応し、或いは反応が鈍い(ない)のか、どんな特性があるのでしょうか?
子どもの不器用さやぎこちなさはどこからくるのでしょうか?
身体の動かし方やつかいかた、他人とのコミュニケーションの取り方や距離感のつかみ方など、お子さんの抱えている課題を知ることで、日常生活でのサポートもしやすくなります。また、変えられることと、変えられないことを理解することで、不要に怒ったり落胆することがなくなったり、できるようになったことをすぐに気づいて認めてあげることで、お子さまの自己肯定感やお母さんへの信頼もアップします。
● 子育ての長期目標をもつ
私は、発達の課題があるお子さんたちとかかわる以前から、障がいのある方のための就労支援施設やデイケアでクラスを担当しています。そこで感じるのは、自分を肯定できない人が多いということ。成長する過程で、学校や職場、作業所等でうまくなじめなかったり、コミュニケーションが上手にとれなかった結果、不必要に傷ついて精神的にダメージを受けてしまったという方がたくさんいらっしゃいます。
学齢期には、どうしても学校の勉強やお友達関係に注意がいきがちですが、それと同時に、もう少し長いスパンでお子さまの成長を見る視点も大切になります。どのような形であれ、何年後かには社会に出ていくわけですから、社会的に自立するためにどのようにサポートしていくことが必要かということもぜひ心にとめていただきたいと思います。どのようなコミュニティであれ、周りの人と上手にコミュニケーションをとれることはとても助けになります。社会に出ても、周りの人に愛され、助けられ、そして助ける存在となれるよう、短期目標と長期目標、特に就労支援施設やデイケアでのクラスの経験もお伝えし、長期目標を目指すお手伝いをさせてていただきたいと考えています。
- 自分をいたわる 自分を深く知る
お子さんといると、どんな時や場面でイライラしますか?
お子さんの長所をいくつあげられますか?短所の数だけ(いえ、それ以上に)長所があります!自分の見方が変わると世界が変わります。
子育てにおいても、それ以外の場面でも、自分の思いと現実の違いが大きければ大きいほど、ストレスを感じやすくなります。変えられるものと変えられないものをしっかりと分けて、自分が抱えている課題に気づき、物事を違う視点からみる方法を学ぶと、世界が少しやさしくなります。そうすると、自分にもっとやさしくなれます。笑顔が増えて、お子さまと楽しく接する余裕がでてきます。
お母さんの笑顔は子どもの心の栄養剤です。大人にとっても子どもにとっても日々の生活がいきいきと楽しいものであるように、お母さん自身がご自分をいたわり、お子さんとゆったりと向き合える心身をつくることは、本当に大切です。今までご自分のことは後回しにして子育てに頑張ってこられたことと思いますが、そろそろご自分を大切にいたわり、自分を深く見つめる時期がきたのです。
まずは今までの子育ての緊張や疲れを緩めます。身体がゆるむと、気持ちもゆるんで、本来のいきいきしたご自身が戻ってきます。そうなればもう大丈夫!不安を安心に、心配を信頼に変える力を一緒に取り戻していきましょう!!